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九段健康生涯塾

講演会後記:第9回九段生涯健康塾 岩本安彦先生による『糖尿病診療 2010』

2010/10/14

第9回九段生涯健康塾 講演会
会期:  2010年10月5日(火)18:30~20:00
会場: ホテルグランドパレス
 
講師: 岩本安彦先生(東京女子医科大学糖尿病センター長)

演題:  『糖尿病診療 2010』

 

2010年は糖尿病の新しい診断規準やインクレチン関連薬の登場など、糖尿病の診療の改革の年となりました。そこで今回の九段生涯健康塾では糖尿病の第一人者として医療現場の最前線でご活躍の東京女子医科大学糖尿病センター長の岩本安彦先生をお招きして、最新の糖尿病治療事情や予防について分かりやすくお話ししていただきました。

 

厚生労働省の糖尿病実態調査によると糖尿病予備軍が著しく伸びています。2006年から2007年の1年間で340万人も増えているそうです。40歳以上の3人に1人が糖尿病またはその予備軍とも言われています。

 

これまでの糖尿病診断は血糖値だけに基づいて施行されてきましたが、血糖血は変動が大きいために日を変えて2回検査が必要でした。しかし2010年7月よりヘモグロビン・エィワンシー(HbA1c)を診断基準に加え血糖値と同時測定することで、1回の検査で糖尿病と診断することができ早期治療を促すことが可能になりました。

 

治療薬に関しては、2009年から2010年にかけて、糖尿病の9割以上を占める2型糖尿病向けに「インクレチン関連薬」認可されました。

 

インクレチンはホルモンの一種で、食事をすると腸管から出て膵臓に働きかけ、血糖値を下げるインスリンの分泌を促し、グルカゴンと呼ぶ血糖値を上げるホルモンが出るのも抑えてくれます。そして、インクレチンは血糖値が高い時だけ働くことが特徴です。

インクレチンの一種「GLP-1」に似た人工ホルモンの注射薬「GLP-1受容体作動薬」と、「GLP-1」を壊してしまう酵素の働きを抑える飲み薬「DPP-4阻害薬」が、インクレチンが出にくい2型糖尿病患者さんの治療薬の選択肢の拡大として期待されています。

ただし、新薬の使用は患者自身のインスリンが一定量出ていなければならないようです。発症時からインスリンが不足する1型糖尿病や長期に2型糖尿病を患い、既にインスリンが枯渇している人には使えません。新薬による治療の前に、インスリン量が不足していないかをきちんと検査して確かめなければなりません。

 

糖尿病の症状としては血糖値が高くなると、喉が渇く、多尿、頻尿、体重減などがありますが、痛みなどの自覚症状はないので放置されがちです。放置しておくと、糖尿病腎症、糖尿病網膜症、糖尿病神経障害など様々な合併症を引き起こしてしまいます。

早期発見のために定期的な検査を心がけ、万が一糖尿病と診断されたら、医師の指導のもと食事や運動など日常生活を見直し、適切な治療を受けることが大切です。

 

岩本先生、大変ためになる貴重な最新情報をお話しいただき、ありがとうございました。
 

 



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