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九段健康生涯塾

講演会後記:第8回九段生涯健康塾 奥村康先生による『利口な免疫 馬鹿な免疫』

2010/09/08

第8回九段生涯健康塾 講演会

会期: 2010年7月30日(金)

会場: ホテルグランドパレス

 

講演1 『利口な免疫 馬鹿な免疫』

    奥村 康 先生(順天堂大学医学部免疫学教授)

講演2 『ハイブリット免疫療法の現状と将来』

    阿部 博幸 先生(国際統合医学会理事長)

 

「免疫」という言葉をさまざまなメディアからよく耳にするようになりました。免疫とはカラダにとって大切なものだとは判っていても、その免疫が体の中でどう働いているのか等、免疫システムというものをまずはよく理解しておくことが大切かもしれません。


そこで今回は免疫学の最高権威でおられる順天堂大学医学部免疫学教授の奥村康先生をお招きして、免疫についてご講演いただきました。

 

敵に強く、味方に弱い利口な免疫系の成り立ちの秘密と、馬鹿な免疫系によって味方を誤爆するために引き起こされる多くの免疫病(花粉症やアトピー性皮膚炎など)、そして長寿とストレスの関係などを、たくさんの面白いエピソードを交えて判りやすくお話ししていただきました。

 

特に印象に残ったエピソードとして、

気合いの入った人は交感神経が興奮した状態でアドレナリンが出ているので、花粉症を発症しない。だから犯罪者と政治家には花粉症の人はいない!?

 

日本人の清潔好きと通気性の悪い住環境が、アトピー性皮膚炎をもたらす。だからホームレスの人やお風呂に入る習慣なない人種ではこの病気は存在しない!? 

 

また、長寿については、先生の言うところの「不良性感度」が高い人ほど長生きする!?という話しも大変興味深いものでした。フィンランドで行われた研究に基づくお話しで、端折って簡単にすると、健康管理されて真面目なグループと、健康管理されずに酒たばこなども自由ないい加減なグループが、10数年同じライフスタイルを続けた結果、いい加減なグループのほうが死亡率が低かったというものです。

 

これは、コレステロール値の徹底管理と、ストイックな生活によるストレスが免疫系に影響を与えたのではと推測されるようです。

 

日本では高コレステロールが心臓病や脳卒中の危険因子として、薬で下げる治療が行われていますが、コレステロールは生体維持に欠かせない大切なものです。ここ数年の医学会の動向も、コレステロール値が高めのほうが長生きするとの見解を発表しています。また、コレステロールは脳の活動にも影響を与えるので、下げ過ぎると鬱になる研究結果も出ています。

 

現代病と言える花粉症やアトピー性皮膚炎、長生きの秘訣などを聴いていくと、何事も中庸が一番であるとつくづく思いました。

 

奥村先生のブラック・ユーモアを利かせた絶妙なお話しぶりに、しばしば会場に爆笑が起こり、あっという間に時間が過ぎてしまいました。

奥村先生、免疫というものを非常に判りやすくお話しいただきまして、ありがとうございました。
 



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