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DR. アベの健康外来_18 若さを保つ秘訣とミトコンドリア

2013/02/28【日本商工倶楽部・連載記事】

  (2013年2月1日 646号掲載)

 

    私はたまに、先生は若いですね、若さを保つ秘訣は何ですかと聞かれることがあります。これと言って特別にがんばっていることはないのですが、私はどちらかと言えば「小食」です。自分の遺伝子を調べてみると、倹約遺伝子(別名、肥満遺伝子)を持っていることがわかりました。すなわち、少ない食事量でも十分に生存できる体質です。ですからこの飽食の時代にはうっかりするとすぐに肥満になるので、食事には十分に注意しています。肥満体の人はこの遺伝子があるかも知れませんね。

 

また、若さを保つために運動は不可欠ですが、今のところ運動の時間が取れないので積極的に運動はしていません。それでも毎日足首にそれぞれ1kgの砂嚢をくくりつけて、背筋を真直ぐに伸ばして歩くようにしています。
 
そしてこのような些細な日常生活のプラスアルファとして、紅参(高麗人参)を薬局で煎じて送っていただき毎日飲んでいます。疲れにくく、身体の中からパワーがみなぎってくるような感覚です。それから果物を出来るだけ毎日食べるようにしているのも元気の元になっているかもしれません。果物は酵素や天然のビタミン、ファイトケミカル等を含んだ完全食なんです。
 
私のことはさておき、若さを保つということについて、最近の研究の一端を紹介しましょう。以前NHKでも放映されたことがある米国ウィスコンシン大学で行われた赤毛ザルの実験を記憶にある方も居ると思います。通常の量の餌を与えたグループと70%の量に減らした餌を与えたグループの2群に分けてデータを取ったところ、餌を制限されたグループのサルは毛並が艶やかで若々しく、通常の量の餌を与えられていたサルより長寿という結果がでたそうです。昔から言われていた「腹八分目」が若さを保つ鍵だったのです。
 
この説明として、摂取カロリー制限により長寿遺伝子サーチュインが活性化され、その結果細胞修復やエネルギー生産に好影響を与え、インスリン抵抗性も改善することが解明されたのです。このことは、インスリン感受性の臓器である脂肪細胞、骨格筋、肝臓などの機能を高めることにつながります。
 
ところでこのサーチュイン長寿遺伝子ですが、人間には7種類のサーチュインがあり、その内3つは細胞内にある小器官であるミトコンドリアの中に存在しミトコンドリアの働きに関わっていることが判ってきました。ミトコンドリアの酵素は活性酸素の発生を少なく効率的にエネルギー産生を行い、長寿を達成することに貢献します。そして長寿遺伝子の中で主役を演じているSirT1は、ミトコンドリアを増加させる働きをしています。つまり食事のカロリー制限と長寿遺伝子はミトコンドリアの増殖、活性化に働きかけるのです。
 
エネルギー工場であるミトコンドリアが増えれば、エネルギーを作る能力が上がり、若々しい身体を保てるばかりでなく、長寿にも繋がるというわけです。
 
そこで、ミトコンドリアを増加させる方法を考えてみましょう。
 
人類は飢餓と寒さとの戦いを終え今日に至っていますが、人体はその環境のために合目的にできていると言えます。このことを考えると、まず持久力の筋肉(赤筋)を鍛えること、これには有酸素運動(走る、歩くなど)がお奨めです。次に背筋を鍛えること。背すじを伸ばすとミトコンドリアを多く含む背筋が強化されます。第3に腹八分目を守ること。若さを保てることは赤毛ザルの実験でも証明されていますね。第4には、気候の変化の寒さを感じるように。厚着をしないこと。寒さを感じた時にはエネルギーを増して熱を発生しなければならず、ミトコンドリアが増えることになります。
 
私の日常生活でもミトコンドリアが増える要素がいくつかありました。皆様も参考にしていただければ幸いです。
九段クリニック 阿部 博幸


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