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ドクター阿部のブログ

がんの10年生存率

2016/01/28【がん治療について】

先週「全国がん(成人病)センター協議会」が、がん患者の10年生存率のデータを公表したことがメディアで取り上げられました。皆様もこのニュースを見聞きしたことかと思います。

 

■ステージIの10年生存率は86.3%

 

集計された結果は部位別に差はあるものの、早期で発見された場合の方が生存率が高いことを示しています。具体的には、ステージIでの10年生存率が集計部位全体で86.3%、ステージIIで69.6%、ステージIIIで39.2%、ステージIVで12.2%となっています。

健康診断や人間ドックに対して賛否両論ありますが、発表された数字を見れば、早期にがんを見つけるに越したことはないと言えるのではないでしょうか。

 

特に家系にがんの罹患者が多い場合や、喫煙、暴飲暴食傾向の方、昼夜が逆転しているような生活スタイルの方などは、定期的に検査をすることをお奨めします。

 

早期発見の難しい膵臓がんや肝臓がん、胆のう・胆道がん、卵巣がんなどは、今回の発表された数字を通して改めて、病期の進んでしまったがんに対する標準治療の限界を感じます。

 

ただし、今回発表された数字は10年以上前の治療に基づくものです。その間に標準治療も進化を続けていますので、今後生存率はもっとよくなると期待されるところです。

 

■免疫療法という選択肢

 

病期の進んだがんは、なぜ標準治療では難しいのでしょうか。

 

浸潤や転移のない早期のがんであれば、手術などで原発巣を取り除くことが可能ですが、浸潤や転移のある場合は、手術、放射線、抗がん剤を組み合わせて治療を行います。

侵襲的な治療を繰り返すことでQOLが下がり、免疫細胞の働きは弱まり、数も減ってしまいます。こうして体はがん細胞が優位な状態になってしまうのです。

がんを叩くはずが、体が耐え切れなくなってしまうこがあるのです。

 

そこで新たながん治療の選択肢と注目されているのが免疫療法なのです。

 

免疫療法は生まれながらに体に備わった免疫機構に着目した治療法です。

 

私たちの体の中では常に体内をパトロールし、異常な細胞を攻撃する免疫細胞が活躍しています。免疫細胞にも様々な種類と役割があり、それらが連携して働くことで、私たちの体は守られているのです。

 

しかし、加齢や生活習慣の乱れ、ストレスなどにより、免疫細胞の数や活性が減ってしまうことで、異常な細胞を攻撃しきれずに、がん細胞の増殖を許してしまいます。

 

免疫療法は標準治療(一部の抗がん剤は除く)とは違い、がん細胞や免疫細胞を分子レベルで捉え、免疫機構を利用して治療をするものです。

 

標準治療は免疫療法とタイミングよく併用することで、免疫の働きを落すことなく治療できるので、相乗効果が期待できます。免疫療法単独での治療も可能です。

 

同じがんの同じステージであっても、Aさんに効く治療がBさんにも効くとは限りません。それはがん細胞の発現する遺伝子や分子の種類は、その人によって違うからです。

 

私どものクリニックでは、一人ひとりの患者さまに最適な治療計画をご提案しています。

 

免疫療法といわれるものには、様々な種類が存在します。

免疫療法の世界は進化を続け、特にこの数年で決定版と言えるものが確立しつつあります。それがコンビネーション治療です。

当院でもとてもいい結果がでています。次回はコンビネーション治療についてお話しいたします。



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