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婦人科がん - ① 子宮の2つのがん、子宮頸がんと子宮体がん

2015/04/07【健康を守るために】

3月26日(木)に開催した九段生涯健康塾は、がん研究所有明病院婦人科副部長の杉山裕子先生をお招きして、婦人科がんについて話をうかがいました。
 
 
増加・若年化する婦人科がん
 
婦人科がんとは、「子宮頸がん」、「子宮体がん」、「卵巣がん」、「乳がん」をいいます。
 
これらのがんの罹患率は残念ながら若年化に加え、「子宮頸がん」以外は高くなっているということです。
 
ここで注意したいのは、統計によっては、「子宮頸がん」と「子宮体がん」をまとめて「子宮がん」として出すところもあります。そうなると「子宮体がん」の罹患率は高くなっているにも関わらず、罹患率が横ばいの「子宮頸がん」とまとめてしまうことで、「子宮がん」の罹患率は横ばいという結果がでてしまうのです。
 
 
対策型検診の盲点
 
ところで、「子宮がん」は「子宮頸がん」と「子宮体がん」の総称だということを、知っている人はどの位いるでしょうか。
 
杉山先生の患者さんで、一年に一度住民検診を欠かさず受け、その都度、子宮は問題なしと言われていた方が、ある年に、進行した「子宮体がん」が見つかり、その時初めて子宮がんは2つの種類があることを知ったそうです。
 

住民検診など法律に基づいた“対策型検診”では、「子宮頸がん」の検査のみで、「子宮体がん」の検査は特定の人、、、

例えば 、6ヶ月以内に不正出血、月経異常、褐色帯下がある方で、医師が必要と認めた場合のみに 、など

自治体によって差がありますが、対策型検診には基本的に「子宮体がん」検査は含まれていないのです。

 
住民検診を利用されている方は、是非この機会に子宮のがんは「子宮頸がん」と「子宮体がん」があることを覚えて頂き、「子宮体がん」の検査については自主的に医療機関で受診してほしいと思います。
 
「子宮頸がん」と「子宮体がん」の特徴を簡単に記しますので、別々のがんであることを理解いたしましょう。
 
子宮頸がんの特徴
 
子宮頸がんはヒトパピロマーウイルス(HPV)への悪性型感染が原因とされています。性行動による感染が知られています。
 
HPVの種類は100種類以上あり、その内15種類が子宮頸がんのハイリスク(がん化しやすい)ウイルスとされています。特に16型と18型HPVは、子宮頸がんを発症した人の85~90%の人に検出されており、がん化しやすいハイリスク・ウイルスです。
 
しかし、ハイリスクHPVに感染していたとしても、ほとんどは自然に消えてしまい、がんを発症するのは1割程度です。
 
がん化する原因は、
■ ウイルスが消えずに長期にわたり持続感染していること
■ 喫煙
■ 免疫力の低下(ウイルスに感染した細胞を排除する免疫細胞が活性化していない)
 
などが考えられます。
 
 
●子宮体がんの特徴
 
子宮体がんは女性ホルモン(エストロゲン)に関係しています。
子宮内膜の発育を促す卵胞ホルモン(エストロゲン)の感受性が高くなることで発症する子宮内膜増殖症から子宮体がんに進行することもあります。
 
閉経後の女性に多いと言われていましたが、杉山先生のお話しによると、30-40歳代での発症が増えており、若年化がみられるそうです。
 
リスク要因としては
■ 50才以上
■ 不正出血がある
■ 未婚・出産経験がなしの方
■ 肥満
■ 糖尿病
■ 高血圧
 
これらのリスク要因に該当しなくても、「子宮頸がん」、「子宮体がん」の検診を積極的に受けていただきたいものです。
 

次回はサイレントキラーと言われる、卵巣がんについてお話ししましょう。



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