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ドクター阿部のブログ

NK細胞のちから - がん細胞を攻撃してアポトーシス

2015/03/16【がん治療について】

 NK細胞は常に私たちの体の中をパトロールし、ウイルスに感染した細胞やがん化した細胞を見つけると即座に攻撃をしかける免疫細胞ですと、前回のブログでお話ししました。

 
ではNK細胞はどうやって、正常細胞と異常な細胞であると見分けるのでしょうか。
 
その決めてとなるのが“MHCクラスⅠ分子”というものです。
 
 
cancer cell and normal cell-2.jpg
 
これは自己と他者(非自己)を区別する標識のようなもので、正常細胞は自己なのでこの標識を細胞表面に出しています。一方、がん細胞はがんの種類によって、この標識を出していなかったり、出していても発現レベルが低いのです。
 
NK細胞はこの自己を示すMHCクラスⅠ分子を発現していない細胞を、異常な細胞(非自己)とみなして攻撃をしかけるのです。最初にパーフォリンという物質をがん細胞めがけて放出して、がん細胞の表面に穴を開けます。すかさずその穴からグランザイムという物質を投げ込みます。このグランザイムによりがん細胞のアポトーシスのスイッチが入り、がん細胞の核と細胞質が縮小していき、DNAが断片化してアポトーシス(細胞の自然死)に至るのです。
 
 自然免疫のNK細胞は、キラーT細胞とは違い、他の細胞の指令や学習を必要としません。異物を発見すると単独で相手を問わずに攻撃をしかけます。NK(ナチュラル・キラー)は日本語にすると”生まれつきの殺し屋”とでもいいましょうか、その名の通り野性的で大胆な頼もしい存在なのです。
 
 

 



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