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NK細胞のちから ― 太陽のように光輝く細胞

2015/02/21【がん治療について】

 

活性NK細胞.jpg
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 活性しているNK細胞
(写真:阿部博幸)
 
 
健康な人の指先から血液を一滴だけ採り、特殊な顕微鏡を使って1万倍に拡大してみていると、赤血球の流れのなかに突然現れるNK細胞の姿は実に感動的です。
NK細胞のまわりには太陽のような光り輝くコロナがあり、細胞全体がキラキラと光り輝いています。その輝きはダイヤモンド以上の美しさです。
 
一方、がん患者さんの血液をみてみると、健康の人の血液にみられた光り輝くNK細胞の姿を見つけることができません。見えるのはギザギザの金平糖のような形の赤血球や、重なり合ってスムーズに流れない赤血球です。
 
がん患者さんの血液に活性化したNK細胞を見つけるのが難しいのは、がん細胞によって活性を妨げられるということが明らかになっています。
 
がん細胞は自分を守るためにサイトカインという情報伝達物質を作り出し、NK細胞に放出してその働きを抑えようとします。するとNK細胞の活性は低下して、がん細胞が目の前にいても反応することはありません。こうして体の中はがん細胞の独壇場と化してゆくのです。
 
 
NK細胞は、生まれながらに私たちに備わっている生体防御システムである免疫機構の中で、中心的役割を担っている白血球の一つです。体内を常にパトロールしていて、がん化した細胞やウイルスに感染した細胞を見つけると直ちに攻撃してやつけます。
 
健康な人の体でも1日に5000~6000個ほどのがん細胞が生まれると言われています。それでもがんにならないのは、あなたの免疫システムがうまく機能していて、NK細胞もがんの芽を摘み取ってくれているからでしょう。
 
NK細胞の働きが弱まっているがん患者さんに、活性NK細胞療法は大変有効です。
 
患者さんのNK細胞を取り出し、体外で大量にNK細胞を増殖・活性化したものを体に戻すと、NK細胞は直ちにがん細胞へ攻撃を開始します。
 
前回のブログでこの治療を受けた患者さんの多くは、すぐに元気を実感したり、食欲増進したりするなどを体感されています。
がん細胞優位の状態が崩れ、バランスを取り戻そうと免疫機構が活性化するのを、体が敏感に感じ取っているのだと思います。
 
 
活性化したNK細胞の姿は、私たちの生命に必要不可欠な太陽を連想せずにはいられません。あんなにキラキラと光り輝く、エネルギーの塊のような細胞が体のなかにたくさん入ったら、、、
NK細胞をみているだけで元気が出てきます。
 
次回はNK細胞ががん細胞を攻撃して自然死(アポトーシス)に導くことについて、お話ししたいと思います。


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