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がんに関するレポート① 米国のがん事情から見えたもの

2015/01/15【がん治療について】

昨年末の週刊文春(年始合併号)に掲載された「がん医療の選択」の記事をお読みいただいた読者の方々から、たくさんのお問合せをいただきました。
ありがとうございました。
 
記事では語り切れなかったこと、判りにくかったことなどもあるかと存じます。
もし貴方が今がんやがん治療についてお悩みがありましたら、アベ・腫瘍内科・クリニックのドアを叩いてみてください。何か新しい道をご提案できるかも知れません。
 
さて今年最初の話題は、昨年の冬に発表された、がんに関する統計などのレポートがいくつか目にとまりましたので、それについてお話しいたします。
 
一つは、米国研究製薬工業協会(PhRMA)の2014年のレポートです。
 
米国がん協会によれば、米国では「がん」は死因の第2位(死亡者全体の4分の1を占める)となっており、2014年だけでも160万人以上の米国人が新たにがんと診断される見込みだそうです。このうちの60万人近くが年内にがんによって死亡すると予測されていました。
※因みに死因の第1位は「心臓病」です。
 
一方、 “死亡率”という点では1970年代から着実に「低下」をしていて、2000-2011年の期間だけで15%以上減少。
5年生存率という角度では1975年から、すべてのがん種にわたり39%上昇しているそうです。
 
米国は長年医療費抑制が課題とされてきましたが、そのような状況も手伝ってか、治療成績を高める新たな治療法の開発は、日本よりも明らかに急ピッチで進んでいます。そうした成果ががんサバイバーの増加に結びついていることは確かです。
 
途方もない数の人々が、毎年がんで命を落とすという現実には心が痛みますが、治療の進歩で確実に生存率が上昇しているという事実には、勇気づけられます。
 
 
米国のがん治療の進歩においては、次の4つがキーワードとして紹介されていました。
 
パーソナライズド・メディシン(個別化医療)
標的治療
治療用がんワクチン
予防ワクチン
 
 
これらはまさに、図らずもアベ・腫瘍内科・クリニックのそれと同じだったので、驚きと同時に、私どもの提供する医療の方向性が時代に則したものであることに、大変心強く思いました。
 
がんは病名とステージが同じでも、がん細胞の特徴は一人ひとり異なります。
例えば、同じ肺がんと診断されたAさんとBさん。遺伝子レベルでがん細胞を診てみると、壊れているがん遺伝子は人によって違うものです。
個々のがん遺伝子情報は、抗がん剤の選択や免疫細胞療法などにとって、とても大切な要素です。
 
がん遺伝子以外にも、患者さまの年齢、性別、ライフスタイルなどといった固有の情報は百人百様です。従って、患者さまのあらゆる固有情報をもとに、個別に治療を組み立てることが、無駄な(効果の出ない)治療を減らし、治療成績の向上につながり、ひいては患者さまの満足のゆく治療に結びつくのです。これが個別化医療です。
 
樹状細胞ワクチンはがん抗原を特異的に狙う標的治療で、正常細胞を傷つけないため、副作用はほとんどありません。
 
治療を受ける患者さまの血液の単球から樹状細胞へと培養し、その方のがん細胞に合わせてワクチンを製造するため、手間とコストがかかります。
しかし、時間のかかるアフェレーシスを不要にし、わずか25mlの採血でワクチンを製造できる特許技術による樹状細胞ワクチンは、現時点で世界に誇れる治療用ワクチンであると言えます。
 
そして、CTC(血中循環がん細胞)検査でがん細胞を検出したら、未病段階から樹状細胞ワクチンで予防するという段階に入りつつあるのです。
 
これらのキーワードは、がん治療を悩まれている方にとりましても、治療や医療機関を選択するひとつの基準になると思います。
  

 

つづく。


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