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インフルエンザ・肺炎の予防接種を

2014/12/22【健康を守るために】

 インフルエンザ・肺炎の予防接種を

 

木枯らしが吹き、北からは雪の便りが届く季節になりました。
インフルエンザの季節の到来でもあります。
空気が乾燥しているので、ウイルスが活発に活動し、猛威を振るう条件が揃うのです。

 

インフルエンザにかかる人とかからない人がいます。
その違いは、免疫力・抵抗力の差にあります。

日常生活を規則正しく送り、体調管理をしっかり行っている人に比べ、
疲労を貯め込んだり、ストレスにさらされている人の方がかかりやすいでしょう。


インフルエンザワクチンを接種しているかどうかでも違います。

 

インフルエンザワクチンは効果が1~2ヶ月程度続きますので、
12月に接種したら、1月末にもう一度接種すると、
インフルエンザのシーズンを乗り切ることができます。

 

希にインフルエンザワクチンを接種したのに、インフルエンザに罹ってしまう方がいます。
だからワクチンを接種する意味がないのでは、という人もいます。
接種した時には既に感染していたとか、効果が落ちてきていた時期に感染してしまったなども考えられます。
接種したのにインフルエンザワクチンに罹ってしまった場合でも、重症化を防ぐとも言われています。
 
 

特に高齢の方や、病気の方は免疫力が落ちていることが多く、
感染すると重症化することも多いので、予防接種を受けることをお勧めします。

 

また、肺炎が増えるシーズンでもあります。
肺炎は発症後に急速に重症化することが多く、
肺炎による死亡者の9割以上は65歳以上の高齢者です。
高齢者は抵抗力が落ちていますから、
肺炎球菌ワクチン「ニューモバックスNP」の予防接種をしておくことをおすすめします。

肺炎球菌ワクチン接種は、2014年から行政により定期接種になり、
5年に一度、対象となる年齢(65歳以上)で接種すると公費での助成が受けられます。

 
 
高齢者の場合はインフルエンザが引き金となり肺炎を併発してしまうケースが少なくありません。
そこで、高齢者の方には、インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンを併用して接種していただくことをお勧めしています。
 
インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの併用に関する有名な論文がいくつか出ています。
 

海外の論文では、スウェーデンのストックホルムで65歳以上の高齢者でワクチン接種をした群(100,242名)と、ワクチンを接種しなかった群(159,385名)について98年から3年間にわたり大規模追跡調査を行った結果、ワクチンを投与した群のなかでインフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンを併用した群(76%)は、ワクチン接種をしなかった群に比べ、肺炎球菌性肺炎による入院治療が36%、死亡率が57%と有意に減少したという報告です。(Christenson B et al. Lancet 2011;357(9261):1008-11.)

 
 

日本でも長崎県のある地域で、インフルエンザワクチンを定期接種している65歳以上の高齢者786人と対象に、肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンを併用した群と、インフルエンザワクチンのみの群を無作為に割り付け、その後2年間の観察を行い、肺炎羅漢率などを調べた有名な川棚スタディというものがあります。(Kawakami K et al. Vaccine 2010;28(43)7063-7069.)

レポートによると、肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンを併用した群で、特に75歳以上の高齢者においては肺炎による入院が41.5%減少、P=0.039と有意に低下し、
歩行困難な高齢者においては、肺炎による入院頻度は併用した群が62.7%(P=0.005)と有意に減少が見られたということです。
結果的に医療費の削減にも繋がったということです。


予防接種というと「めんどくさい」とか「どうせ効かない」などという声も聞かれますが、
ワクチン接種をすることには、統計的に有意なのです。
高齢者だけでなく、がんなどの病気で免疫力が低下している方には、
両方を接種して備えることをお勧めします。

 
九段クリニック  阿部博幸


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