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ドクター阿部のブログ

画期的な「樹状細胞ワクチンの新しい製造法」とはどんなものか ~① アフェレーシス不要

2014/10/14【がん治療について】

今回新たに取得した特許(第5577472)は、
単球増殖剤、単球培養用培地、単球の製造方法。
そして樹状細胞の製造方法、及び樹状細胞ワクチン製造法といった、
樹状細胞ワクチン製造の1から10まで全てに関するものとなりました。
 
患者様の負担をなくすために、
アフェレーシスをすることなく樹状細胞ワクチンを作りたい。
こんな思いからスタートした研究は、
Less is More」という我々の研究部門のスローガンも手伝い、
結局、樹状細胞ワクチン製造のすべての工程を見直すことになりました。
Less is Moreとは「より少ない方がより豊か」でしょうか。
つまり、樹状細胞ワクチン治療において我々は、
患者様からのより少ないサンプルと、患者様のより少ない負担で、
より豊かな(良い)治療結果を目指したのでした。
 
今回の特許技術により患者様にとっての1つ目の福音は、
アフェレーシスをする必要がなくなったことです。
その代わりに、わずか25mlの静脈採血で樹状細胞ワクチンを受けられるようになりました。
これを可能にしたのは、血液から単球を取り出し、
この単球を培養・増殖する新しい技術を確立したからです。
 
この〈単球そのものを培養して増やす〉というアイデアが、
これまでの樹状細胞ワクチン製造技術を刷新すると同時に、
治療の効果に多大な影響を与えたことは間違いありません。 
 ※症例については、追ってご紹介させていただきます。
 
 
実はこれまで単球を増やす方法は、なかったのです。
 
 
なぜ、世界の研究者がそのアイデアに至らなかったのか。
 
何故私がこのアイデアを新たな治療法に昇華できたのか。
 
 
ひとつに、私たちが長年にわたって樹状細胞の優位性に着目し、
地道な研究を重ねてきたという理由があります。
 
樹状細胞研究の大家であり、ノーベル医学生理学賞を受けた
ラルフ・スタインマン教授の薫陶を直接受け、
先生の勉強会などで彼の考え方をつぶさに教えてもらったことが土壌になっています。
 
また、私が〈臨床で〉がん治療に取り組んできたことも大きな要因でしょう。
研究者というのは専門分野に特化しており、
単球を採取する方法、単球を樹状細胞に分化させる方法を結論としてしまうため、
アフェレーシスが患者様に負担をかけることに思い至ることはないのではと思います。
 
私は臨床の現場で患者様を見てきました。
抗がん剤などでボロボロになった血管の人、浮腫でパンパンに腫れている患者さんは
ルート確保がとても困難であったり、
やせ細った末期の方はベッドに2-3時間横になるのはとても苦痛そうでした。
どんな世界もそうですが、革新的なものを生み出すには、
現場を知らずして成し遂げるのは不可能だと思います。
  
(つづく)



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