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ドクター阿部のブログ

特許取得の背景

2014/10/08【がん治療について】

2014年7月11日。博心厚生会は樹状細胞ワクチンの画期的な製造に関しての
特許を取得しました。そこに至るまでの経緯についてお話させてもらおうと思います。
 
 
樹状細胞ワクチン療法というのは、がん治療の主流の方法になりつつあります。
心身ともに患者様の負担が少ないこと、
顕著なガンの死滅・縮小が見られること、
延命効果が高いこと、
QOL(クオリティ・オブ・ライフ)が大きいこと
...など、すでに様々なメリットがあることが実証されています。
 
私は副作用のないがん治療を追求し、
長年、樹状細胞ワクチンの研究と臨床に取り組んできましたが、
臨床における問題点のひとつとして、
免疫システムの司令塔である樹状細胞を、どう確保するかということがありました。
 
樹状細胞は人の体の中に存在します。
しかし、その数は血液中には非常に少なく、白血球の0.1%未満しかないと言われています。
また、存在する場所も皮膚の下とか、腸の周り、胃の周り、肝臓の中、脾臓の中など、
きわめて取り出しにくい特殊なところにあるのです。
治療に必要な量の樹状細胞を体内から確保することは不可能でした。
これを解決したのが、白血球の一種である「単球」から「樹状細胞」を分化させる技術の発見でした。
1996年、国立感染症研究所の赤川清子博士が発見したものです。
 
治療に十分な量の樹状細胞を得るためには、沢山の「単球」が必要になります。
そこで、この単球を得るためにアフェレーシス(成分採血法)という技術が採用されるようになりました。
現在、樹状細胞ワクチンを製造する上で一般的な手法になっていますが、
私はこの方法に不満を感じていました。
 
それは、何よりも患者さまの時間的、心身的負担が大きいからです。
アフェレーシスには1回2~3時間もかかります。
両腕の血管に管をつなぎ、循環装置で約5000mlもの血液を、機械に通して循環させねばならないので、
体が冷えたり、貧血になったりと、がんの患者様には過酷な成分採血なのです。
 
なんとか患者様に負担をかけない方法はないか、という思いで研究に取りかかり、
試行錯誤を繰り返しながら開発したのが、今回特許を取得した、既存の製造技術と一線を画す、樹状細胞ワクチン製造法です。詳細は、次回。
 
(つづく)



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