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個人に合うがんの治療法の選択を

2014/06/18【がん治療について】

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去る5月31日に、「がんで死なない治療の選択」という新しい本を徳間書店から出しました。

 

 がん治療に携わっていると、患者様は、がんについて色々な疑問を持ったままであることがわかります。そもそもがんとは何であるか、がんの治療法はどれが正しいのか、がん治療のメカニズムはどうなっているのか、疑問が解消できないまま、患者様は手探りでがんに向き合っているのが実情です。
一方で、厚生労働省のがん総合戦略では、最終的な選択は患者にあると言っています。患者様個々人が自分に合う治療法を選択することが必要だということです。
だからこそ、がんという病気の知識、がん治療のメカニズム、がんとの上手なつきあいかたなど、基本的なことから専門的な内容まで、わかりやすく解説した本が必要だと考えました。患者様が、どの治療が最も自分に合うのか選択するための一助となることを目指したのが本書です。

本書は、下記のような構成になっています。
   第一章/がんのことをもっと知ろう
   第二章/からだのメカニズムをもっと知ろう
   第三章/がん標準治療の今
   第四章/第4のがん治療 進化する免疫細胞療法   
   第五章/がんのサポーティブ医療
   第六章/がんになった人のためのライフスタイル
   第七章/人生を支えるがん治療とは

副題として「アトポーシスの秘密」と銘打って詳しい説明をしています。
がん細胞の死滅には、ネクローシスとアトポーシスという2通りがあります。
ネクローシスは細胞を強制的に殺すもの。細胞がつぶれて、回りに炎症物質をふりまいて死んでいくので、人体への影響が大きいのです。
それに対してアトポーシスは自然死(プログラムされた死)です。がん細胞が自然にばらばらになって死んだ後、マクロファージという細胞が食べて掃除してくれるので、跡形もなく細胞が消滅していき、人体への影響はほとんどありません。
抗がん剤や放射線治療などの場合は、ネクローシスを誘導するものと、アポトーシスを誘導するものが混在しています。もちろんそれらの治療を否定するものではないので、本書では、3大標準治療の最新情報を紹介しながら、がん細胞のアトポーシスを誘導する「免疫細胞療法」の先進性についても言及しています。

日本人の2人に1人ががんにかかる時代、特に50歳すぎてからのがんの罹患率はぐんと跳ね上がります。がんという病気、およびその治療法について正しい知識を持っていただきたい、そんな思いで本書を執筆しました。



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