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ドクター阿部のブログ

混合診療が見直される日

2014/04/24【私的COLUMN】

去る3月27日、総理大臣の諮問機関である規制改革会議で混合診療解禁を議題に乗せ、
一定の条件が整えば混合診療を認める選択療養制度(仮称)の創設を提案しました。
様々な意見がありますが、 どうすれば最も患者様のためになるのかという観点を最優先に、
さらに議論を深めてもらいたいと思います。

 
「混合診療」とは、
ある同一の病名で、保険診療と混合診療を同一の日・同一の施設で行うことです。
現在の保険制度では、保険診療を行った上で保険外の診療を行った場合、
すべて自費診療として扱われます。つまり、混合診療は原則禁止されているのです。
  
たとえば、肝臓がんを患った患者さんが、
保険診療のインターフェロン療法に加えて、保険適用外のリンパ球治療を希望していた場合、
これを併用すれば、インターフェロンの治療まで全額自己負担になってしまうのです。
患者さんの経済的負担が大きく、自由な診療の選択ができなくなります。
 
ある患者さんは「混合診療の禁止というのは法律のどこに書いてあるのか」と疑問を持ち、
裁判に打って出ました。
その結果、一審の東京地裁では「混合診療の禁止は違法」という判決を勝ち取りましたが、
次の高裁ではまったく逆の判決が出て、最高裁でも二審が支持されたのです。
 
裁判ですら見解が分かれる、そのくらい混合診療の問題は曖昧な部分が多いのです。
 
 
今回の規制改革会議の「選択療養制度」という提案は、
こうした膠着した判断に一石を投じるものとして注目されます。
 
「選択療養制度」というのは、保険外治療を行う条件として、
医者と患者が合意したという証明書を作ること。
そして診療に取りかかる前に、保険者などの了解を得ることで、
保険診療と保険外診療を一緒に受けることができるようにしましょうという内容です。
     保険者というのは、国民健康保険を運営する市町村や、
      会社の保険組合などのこと。一般の患者さんは被保険者となります。

同会議では、混合診療を行う際には、医師は診療計画書を作成し、
患者さんに対して、保険外診療の「必要性」と「リスク」を書面で十分に説明し、
納得してもらった上で書面で承諾するという手続きを取るなど、
ルールの詳細について引き続き検討を続け、早急に結論を出したいとしています。
  
患者さんが、自己の意志で医療を自由に選択することができる権利が保障されることは、
「個人が健康である権利」を守る立場から見ると大きな前進だと思っています。
選択肢が多ければ多いほど、健康を維持し、取り戻せる可能性が高くなるわけですから。
 
ただ、こうした提案を前向きに評価するグループもあれば、
逆に反対するグループもあります。それぞれの言い分については次回で。



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