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千鳥ヶ淵、桜の季節に思うこと

2014/04/07【私的COLUMN】

201404_sakura01.JPG 201404_sakura02.jpg 201404_sakura03.jpg 東京・千鳥ヶ淵は桜の名所として知られています。
今年もまた、満開の桜が人々の目を楽しませています。

私が九段下の地にクリニックを構えて25年。
今は忙しくてなかなか行けませんが、
以前は、よく花見に行ったものです。
千鳥ヶ淵は昼も夜も人通りが多くてせわしないものですから、朝早く静かな時にゆっくり散歩するのです。
散り際の花びらの舞いがなんとも美しくて、歩きながら感慨にふけったものでした。

 散る桜 残る桜も 散る桜

良寛和尚の句です。満開の桜も美しいですが、
散り際の桜の美しさは筆舌に尽くしがたいものがあります。

あすありと思う心のあだ桜
      夜半に風の吹かぬものかは


これは親鸞聖人の歌ですね。桜には人生を考えさせる何かがあるようです。

桜というのは日本人にとって特別な思い入れがある花です。全国各地で桜祭りが開かれ、桜の名所に人が押し寄せ、桜を歌った曲もたくさんあります。どれほど日本人が桜を愛しているかがうかがわれます。

その人智を超えた生命力は、咲き誇る花ももちろんですが、長年の風雪に耐えた古木のがっちりした幹により感じられます。
何百年も生き続けて、ごつごつとねじれた幹に、生命の源泉を感じる思いがします。

桜は、ある思い出につながっています。
九段の地に開業して、免疫細胞療法を始めた頃、ある肺がんの患者さんのことです。
この方は肺に500個ほどのがんがあって、手の施しようがないと、万策尽きて私のところにやってきたのです。
しかし、その患者さんは、免疫細胞療法を続けるうちにみるみる元気になっていきました。
ほとんど歩けないくらい弱っていたのが歩けるようになり、治療の終わり頃には、「靖国神社の桜を見に行ってきましたよ」と笑うほどでした。

やはり同じ頃、名古屋から新幹線で治療に通ってこられていた悪性リンパ腫の患者さんもいました。
この患者さんも免疫細胞療法で元気になられ、治療を終えて名古屋に帰っていきましたが、その時も桜が舞い散っていました。
後に手紙が来て、治療の成果が出て元気でいるということでした。
この方もやはり、桜が印象に残っていたのでしょう、桜の風景を歌った歌を作って送ってくださいました。  

桜が生命力を与えてくれたのではないか。
今でも桜を見ると、この患者さん達のことが思い出されるのです。

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