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自伝的エッセイ『黄金なす曙』

2013/11/20【私的COLUMN】

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25周年祝賀会に会わせて、自伝的エッセイ「黄金なす曙」という本を出版しました。私の足跡の節目という意味合いを込めた本です。


私を知る人の中には、私がいいところのぼんぼんで何不自由なく九段という一等地にクリニックを開業していると思っている人も多いようです。
でも、私は北海道の山育ちで、貧しい中一念発起して医者になり、さらに徒手空拳でアメリカに渡って最新医療を身につけ、九段クリニックを開業してからも決して順風満帆ではありませんでした。
この本にはそういう私の歴史がすべて書かれております。読んで初めて知って「びっくりした」と言われた読者の方も少なくありません。
 

 
しかし、私は自分の苦労をひけらかしたくて本を書いたわけではありません。
私は、逆境はチャンスだと思っているからです。
たとえば、医大に通っていたとき、医学書が非常に高価で買えないものばかりでした。そこで、古本屋で英文の医学書を安く買って、辞書を引きながら勉強しました。この時培った語学力は、後に海外留学するときにとても役に立ちました。(むろん、その時点で海外に行こうと思っていたわけではなく、本を買えない逆境にあっただけです。)
逆境をチャンスに変えるのは、努力の積み重ねです。戦国武将の山中鹿之助ではありませんが、 「願わくば我に七難八苦を与えたまえ」 ということですね。

 

努力を積み重ね、情熱、エネルギーを注げば、人間にはすごい能力があります。私は、「先生、なんとかしてください」と訴えてくる患者様の一言に突き動かされて、新しい医学の道を進んでいます。その経験からいっても、誰もが、自分自身の中にある能力を見過ごしているのではないか、と思うのです。
便利な世の中になって、人間は本来持っているはずの自分の感性や体力、気力というものを失いつつあるのではないでしょうか。特に若い人などは本当の能力を見出すことなく、惰性に流されているのではないか、見出す機会がないというのもあるかもしれませんが、それは逆境の中でも体力気力を振り絞って努力することで、問題を解決する、その中で、自分の中にある能力を見つけ出すことができるのではないか。それは生命活動に欠かすことができないエネルギーとしての「光、希望の光」のイメージにつながります。
そういう人間の能力への応援歌という思いを込めて、 本書のタイトルを「黄金なす曙」とつけたのです。

 

※黄金なす曙 森の生活に育まれた医療への志
 阿部博幸著(文藝春秋企画出版部)

 

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読んで下さった多くの方から手紙をいただきました。
この場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございました。
とてもうれしく思っています。

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アベ・腫瘍内科・クリニック理事長  阿部 博幸

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