HOME > ドクター阿部のBLOG > がん治療について > オンコ・ハイパーサーミア(腫瘍温熱療法)

ドクター阿部のブログ

オンコ・ハイパーサーミア(腫瘍温熱療法)

2013/10/10【がん治療について】

がん治療における温熱療法の役割は、前回のように新樹状細胞がんワクチン療法と併用してがん抗原を認識しやすくすること、NK細胞や樹状細胞を活性化させて増殖させることなどのほかに、ダイレクトにがん細胞を死滅させることにあります。それが局所温熱療法のオンコ・ハイパーサーミアです。

がん細胞に熱を加えていくと、42.5度で死ぬことがわかっています。がん細胞は熱に弱いのです。
正常細胞は同じ温度の熱を加えても死ぬことはありません。正常組織に熱が加わると、血管が拡張して熱を逃がすことができます。一方がん組織は栄養を採り入れるために新生血管を作っていますが、熱を逃がすシステムがないため、ミトコンドリアが障害されてアトポーシス(細胞死)してしまうのです。

全身温熱の場合はダイレクトにがん細胞を死滅させるものではありません。体全体を温めているので、がん細胞が42.5度以上まで上昇しているわけではないからです。
がんの治療という意味では局所温熱療法が高い効果を発揮します。

局所温熱療法というと、ものすごく高い熱を体に与えるものと思われがちですが、オンコ・ハイパーサーミアは、人体に直接に熱をかけるわけではありません。新しい理論に基づきがん治療のために開発された専用機によって、13.56MHzの非電離放射線よる高周波システムが患部をはさむ2つのアンテナからエネルギーを送ることで、ピンポイントにジュール熱を発生させ、がん細胞をアトポーシスさせるものです。

--------------------------------------------------------------------------------------------------------------
※ジュール熱とは、電流が流れるとき、途中に抵抗があるときに熱を発生するものです。
がん細胞は活発に働いているので、健康組織に比べてイオン濃度が非常に高い状態にあります。つまり導電率が高いのです。そうすると必然的にがん細胞周辺に電流が集まっていき、がん細胞にジュール熱が発生しやすくなり、正常細胞には影響がないのにがん細胞だけが死滅するのです。
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------



ページトップ

"
Copyright KUDAN