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ドクター阿部のブログ

温熱療法の効能

2013/10/03【がん治療について】

温熱療法には一般的に、運動能力が向上したり、血流がよくなって代謝が活発になる、などの効果があります。加えて、「HSP70」という、病気の治療に大きな役割を持つ物質が誘導されることがわかってきました。
ヒートショックたんぱく質(HSP)は、機能メカニズムが異なる様々な種類があります。いずれも、傷ついたたんぱく質を修復して元気にしてくれる役割を果たす物質です。
HSPのうちのHSP70という物質が特に重要で、これはミトコンドリアとか小胞体、細胞質の中に存在し、熱ショックやその他のストレスにより発現が増加し、傷ついた細胞を修復してくれるのです。入浴でも工夫次第で効果的にHSP70の恩恵を受けることができると言われています。
温熱療法はやみくもにやっても効果は薄いのです。たとえば、毎日やると、熱耐性ができて効果が出なくなってしまいます。医師の指導の下、最も効果的な方法で行ってほしいと思います。
基本的には週に2回くらいが適切です。
温熱療法をやった後、2日くらいした頃に白血球の数が二倍、三倍になります。そこで効果が最大になり、そこからまた減り始める。その時に次の温熱療法を行います。
(ご自分で温熱療法の機械を購入して自宅でやるという方もいらっしゃいますが、それでも病院で週一回、自宅で一回、というように合間を置いてやるべきです。)

温熱療法には大きく2通りの方法があります。
 1/全身温熱療法
2/局所温熱療法

前者はいわゆる一般の温熱療法のこと。温泉に入ったり、お風呂に入ったり、岩盤浴で体を温めたりすることも含まれます。アベ・キャンサー・クリニックではがんのコア治療との併用で相乗効果を上げるため、バイオマット等を使った全身温熱療法を採り入れています。
それに対して、後者は患部に集中して熱を与えるもので、我々は腫瘍温熱療法(オンコ・ハイパーサーミア)というコア治療として提供しています。
※前回の記事…温熱療法だけで前立腺がんが完治した患者様も、この局所温熱療法で治療したものです。

アベ・腫瘍内科・クリニックでは、全身温熱療法と局所温熱療法をケースバイケースで、積極的にがん治療に採り入れています。
温熱療法はがん免疫細胞療法にもよい影響を及ぼします。
まず、温めることでHSPがNK細胞やT細胞、樹状細胞を活性化し増殖させます。全身温熱で施術前の細胞数に対するリンパ球の変化率を調べたところ、施術1日後にNK細胞、T細胞、B細胞が2倍~3倍に増えていました。
また、HSPが隠れているがん抗原(がんの目印)を細胞膜の表面に持ち上げて、がん細胞であることを提示してくれるのです。そのため、新樹状細胞がんワクチン療法と組み合わせると、より効果を高めることができます。がん細胞の中にがん抗原が隠れたままでは、キラーT細胞ががん細胞を認識できず攻撃できません。温熱療法でHSPを増やしてやると、キラーT細胞がよりがん細胞を攻撃しやすくなるということです。

さらに、温熱療法によって血流が多くなって抗がん剤が効きやすくなります。温熱療法と抗がん剤を併用することで、少量の抗がん剤でも高い効果が出せるのです。
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※抗悪性腫瘍の抗がん剤であるアドリアマイシンを使用すると、1マイクログラムで4時間後にがん細胞の80%が死滅します。これに対し、投薬と同時に41度の温熱を4時間かけた場合は、10分の1マイクログラムの量でも、6割のがん細胞を死滅させられるという結果が出ています。
温熱療法は免疫療法、抗がん剤などの標準治療との相性が非常にいいといえます。
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