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ドクター阿部のブログ

世界腎臓デーに思うこと

2013/03/24【健康を守るために】

3月8日は世界腎臓デーでした。
今回は、予防医学という観点から腎臓病の問題についてお話ししたいと思います。

腎臓病には腎盂炎、腎結石、ネフローゼ、腎硬化症など様々なものがありますが、
最も多いのは腎不全です。
腎臓は体内の毒素を排出する重要な器官なのですが、
腎不全になると、この排出ができなくなます。
現代の医学では腎不全を治せないため
一度悪化したら人工透析を一生続けなければならなくなります。
体内の血液を抜いて機械で濾過してまた元に戻す人工透析は
それだけでも体力的に厳しく、時間的にも負担が大きい。
また、食生活の制限も厳しくなり
食べたいものを自由に食べるわけにはいかなくなるのです。

人工透析に至らないように、いくつかの対策はあります。
根本的には腎臓移植という手術がありますが、
大きな手術ですので、体力的な負担も重く、
日本では圧倒的にドナーが少ないため普及が遅れています。
また、進行を遅らせるために
クレメジンという吸着活性炭を毎日飲む方法もあります。
体内の毒素を吸着させて便と共に体外に排出するものですが、
飲む量も多いし、飲みにくいので大変です。
といって、ほかに有効な薬剤もないのが実情です。

私は、予防医学の観点から
もっと簡単にやさしくできるものがないかと色々研究していたのですが、
東京農大との共同研究で、シルクフィブロインという物質がクレメジンと同様に
腎機能悪化を抑えることがわかりました。
シルクフィブロインというのはカイコの中に入っているたんぱくで、
ナノレベルの多孔性構造を持っています。
糖尿病患者で血糖値を低下させることは知られていますが、このたび
腎機能の指標であるGFR(糸球体濾過量)の低下を
止める働きがあることが確認できました。
腎不全ではGFRは年に20%くらいずつ下がっていくのですが、
今回の研究では、これがまったく下がらなかった。
シルクフィブロインは腸にもほとんど吸収されていないことで、
毒素の体外排出ができて、腎機能の補助ができることがわかったのです。



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