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ドクター阿部のブログ

遺伝子診断の過去現在未来-3 「体質」診断から「存在」診断へ

2013/02/23【個別化医療】

遺伝子診断は、一般には、がん、あるいは動脈硬化、心筋梗塞、狭心症、
肥満、アルツハイマー、骨粗鬆症などになりやすい「体質」を判定するものとして
医療機関のみならず広く応用されています。
医療の現場においては遺伝子解析の精度が上がり、
今病気があるかどうかという「存在診断」、
さらにがんの性質を特定できるものになってきています。
 
 
がんに関わる遺伝子の種類は3ケタもあり、それぞれいろんな働きをしています。
それを遺伝子マップとして表わすことができます。
がんの発生に関わる遺伝子、がんの発生を抑える遺伝子、
がんの浸潤や転移に関わる遺伝子、
がんの親玉といわれるがん幹細胞があるかないかを調べる項目もあります。
また、薬剤に関わるもので、
スイッチが入っていると抗がん剤が効かないとわかる遺伝子もあります。
たとえば肺がん治療薬で効果の高いイレッサというクスリがありますが、
これは、EGFR遺伝子に変異がない場合はまったく効きません、
逆に副作用が出ることがわかっています。
抗がん剤が効いているのかいないのかの治療効果も遺伝子を調べればわかります。
予後がどうなるかというのも遺伝子から予測できるようになりました。
 
がんを判定する手法には、他に腫瘍マーカーがあります。
がんの発生、成長と合わせて血液内などに増加するたんぱくで、
これを測ればがんが存在することがわかります。
ただ、腫瘍マーカーの代謝には時間がかかるので、がんが消えても高い数値が続いたり、
がんがあるのに腫瘍マーカーの数値に表われないということがあります。
遺伝子検査のほうがはるかに精度が高いので、
最近では、遺伝子情報を元に治療方針を決めることが増えてきました。
 
ダイレクトに命に関わるがんの治療において、
遺伝子検査はきわめて重要な診断基準のひとつなのです。
 
もちろん遺伝子診断は個人個人によってまったく違いますし、
どう読むかが重要になりますので、医師にはそのスキルが求められます。
治療も個人個人に対応していかねばなりません。
しかしともかく、私がかねてから提唱している個別化医療が、
現場レベルで進展し始めていることは確実です。
 

…続きます。

※アベ・腫瘍内科・クリニックでは、がんの特性を把握するための「がん遺伝子診断」を行っています。
 詳しくはこちらをご覧ください。  >がん遺伝子診断

 



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