HOME > ドクター阿部のBLOG > 個別化医療 > 遺伝子診断の過去現在未来-2 遺伝子検査の目的とは

ドクター阿部のブログ

遺伝子診断の過去現在未来-2 遺伝子検査の目的とは

2013/02/16【個別化医療】

 

 

スタート当時から、遺伝子検査は当初は生活習慣病の改善を目的にしていましたが、
遺伝子ドックの有用性を示す一例として早期の肺がんを発見したケースもあります。
 
孫におじいちゃんたばこ臭いといわれたことから禁煙して5年。
その後、遺伝子検査を受けてみると、肺がんになりやすい体質であることがわかりました。
それから半年ごとに定期検査を受けるようにして2年目、発病が判明したのです。
しかも、それは小細胞肺がんという肺がんの中でもたちの悪いもので、転移が早く、
普通は発見された段階で余命数ヶ月というほど深刻ながんです。
彼はそれを超早期に発見できたため、手術で完治することができました。
がんセンターも、よくこんなのを見つけたねと感心したほどです。
肺がんになりやすい体質だということを指摘されて、
気をつけていたからこそ、早期発見につながったのでした。
 
同じようにアルツハイマー型認知症になりやすい遺伝子というのもあります。
アルツハイマーには根本的な治療法がないから、体質が分かっても無駄じゃないかと
思われるかもしれませんが、決してそんなことはありません。
アルツハイマーは、生活習慣を変えることで発症を遅らせることができるからです。
たとえば、規則正しい生活をする、肉より魚をたくさん食べる、
頭を使ったトレーニングをする、本を声を出して読むというのも
脳の活性にすごく効果的です。そういう生活習慣をつけることで、
アルツハイマーの発症のカーブを右にシフトさせて発症を遅らせることができるのです。
また、進行を遅らせるタイプの薬品もあります。
何もしなければ60歳で発症する人が、90歳100歳まで遅らせることができれば、
人によっては一生発症しないで済むわけでしょう。
早く対処すればするほど、そういう可能性が高まるのです。
そもそも体質だから病気になるのは避けられないということではありません。
病気というのは遺伝的体質のほかに、環境要素が深く関わるものであり
生活習慣やライフスタイルを変えることで病気を防ぐことができると認識してほしいと思います。
 
かつては遺伝子検査の費用も高額でしたが、
いまではだいぶ安くなっていますので、
人間ドックのついでに行うこともできるでしょう。
遺伝子検査の結果をどう読んで、どう解釈するかについては、
拙書「自分の遺伝子がわかる~遺伝子診断でかかりやすい病気を知る
(阿部博幸著、主婦と生活社)があります。興味のある方は参考にしてください。

 

…続きます。

参考:遺伝子検査によってがんの超早期発見が可能(アベ・腫瘍内科・クリニックHPより)
img_diagnosis_02.gif

 



ページトップ

"
Copyright KUDAN