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ドクター阿部のブログ

個別化医療学会にて1

2012/12/07【個別化医療】

今回と次回は、先日行われた個別化医療学会の講演について
具体的にご紹介していきます。
 
国際個別化医療学会学術集会は、厳かな中にも和やかな雰囲気に包まれ、
私の開会の辞からスタートしました。
オーディエンスは若い人から年配の方まで様々。
学生や現役の医師、研究者など多様なキャリアの方たちが熱心にメモを取り、
演者の言葉を一言も聞き漏らさないように集中しておられました。
 
会頭講演は、生命科学振興会理事長の渡邊昌先生による「個別化医療における栄養学」。
栄養学が個別化医療にどれだけ重要な役割を果たすかについて力説されました。
本来、医療における栄養学は傍流とされてきたのですが、これをトップに持ってきたのは、
この学術集会の特徴を物語っていると思います。
単に給食のように同じ物を提供するのではなく、
もっと踏み込んだ治療の一環として栄養学を捉える時代に入っているということです。
 
特別講演の最初は神鋼病院膠原病リウマチセンター・センター長の熊谷俊一先生による
「関節リウマチの個別化医療」です。
関節リウマチはメトトレキサートなど有効な新薬が出て劇的に進歩しています。
これを有効に活用するには、抗CCP抗体、関節エコーやMRIなどを駆使した早期診断のほか、
バイオマーカーが必須で、個々の患者の状態に合わせた「個別化医療」が進んでいるとのお話でした。
 
特別講演2、大阪大学大学院心臓血管外科教授の澤芳樹先生は、
日本で初めて小児の心臓移植を実現した臨床心臓外科医であり、現在は、
ノーベル賞の山中教授と、自己筋芽細胞シートによる心筋を再生について共同研究を進められています。
澤教授には「重症心不全に対する心筋再生治療」と題して講演をいただきました。
心筋再生医療はすでに16例を数える実績を積み、重症心不全患者への福音となりつつあります。
今回はその研究の内容や成果について、ムービーなどを使って具体的にご説明いただきました。
世界でも最新の、非常に興味深い講演でした。
 
3つ目の特別講演は日大医学部心臓血管・呼吸器・総合外科学分野主任教授の塩野元美先生の
「心臓血管外科における個別化医療の実践」という演題です。
同じ虚血性心疾患でも、薬物治療からカテーテル治療、外科療法まで様々な種類の治療があり、
それを組み合わせたハイブリッド治療も行われています。
では医師はどういう判断でどういう治療を行うかを決めるのか。
いわゆるディシジョンメイキングのお話となりました。
最近、天皇陛下が虚血性心疾患で手術を受けられましたが、
座長を務めた竹内先生がこの際の治療法の選択を例に
個別化医療について意見を述べられたことも、とても印象的でした。
 
ランチョンセミナーは三羽信比古大阪物療大学保健医療学部教授が
「個別化医療における温熱療法の役割」という演題でお話されました。
副題が「特許取得CRet System&特殊プロビタミンCによる脂肪滴及びセルライト新抑制法」というもの。
温熱療法は病気への効果が高いことは知られており、がんに対しても効果を持つことがわかっています。
アベ腫瘍内科クリニックでも、日本に1台しかない
がん治療専用に開発された最先端の温熱療法機器を導入して効果を上げています。
 
次回は午後の部の講演を振りかえります。



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