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ドクター阿部のブログ

日本の個別化医療進展に向けて

2011/12/13【がん治療について】

トーマス・ジェファーソン大学の客員教授をお引き受けしたのには、
私が日米の医療の架け橋になりたいという思いもありました。
医療の考え方において日本はまだ米国に遅れている。
特に個別化医療(パーソナライズドメディスン)に関しては、
(口だけで個別化医療を提唱する医者はいますが)
まだまだスタートしたばかりだと言わざるを得ません。
 
これまでの医療というのは、治療法ありきで
患者様をそれに当てはめていくのが当たり前でした。
しかし、本来は、
一人ひとりの患者様のために治療計画を組み立てていくものでなくてはなりません。
最近は、遺伝子情報やバイオマーカーなどによって
詳細な生化学的情報が得られるようになりました。
例えばがんであれば、検査によって、その患者さんの体内で
がん細胞が増殖するメカニズムを予測することが可能です。
つまり、とりあえず標準治療(手術か、抗がん剤か、放射線治療)を行うというのではなく、
がんの特性(増殖早い癌なのか、転移しやすいのか、
薬が効くのか効かないのかなど遺伝子検査で見分ける)を見極め、
効果のある治療法を組み立てることが可能になっているということです。
 
しかも、ここで言うがん治療は標準治療だけではありません。
身体に負担の少ない免疫細胞療法であったり、
高濃度ビタミンC点滴治療、温熱治療、再生療法であったり、
がんに有効な治療法はいくつもあるわけで、これを個人個人に合わせて
組み合わせて治療していくのです。
さらに、個人の人生観や価値観、ライフスタイルまで勘案して
治療を組み立てていく必要があるでしょう。
患者様が「自分らしく」生きるためのパーソナルな治療、
それこそが、私たちが推し進めている「個別化医療」です。
 
個別化医療は、治療を受ける側の情報をコアにして治療を組み立て進めていくということ。
治療を受ける側が何を必要としているのか、という視点から
スタートするのが根本的な考え方です。
これを本当の意味で日本に浸透させるのが
今後の私の役割ではないかと考えています。
 



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