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ドクター阿部のブログ

なつかしのフィラデルフィア ~トーマス・ジェファーソン大学客員教授就任でアメリカに飛ぶ~

2011/11/21【私的COLUMN】

約40年ぶりの懐かしのフィラデルフィアは寒くて雪が降っていました。
私は今年、アメリカのトーマス・ジェファーソン大学の客員教授に就任しました。
11月はじめ、その就任式に出席するためにフィラデルフィアに降り立ったのです。
日本では比較的暖かかったので軽装で行ったのですが、現地は寒くて驚きました。
洋品店に直行してコートを買ったほどです。

 

私は1971年から最新の医療技術を学ぶため、アメリカに留学しました。
それが、このペンシルバニア州フィラデルフィアです。

最初はハーネマン医科大学、そしてペンシルバニア大学フィラデルフィア小児病院で約1年半学びました。
フィラデルフィアはシカゴ、ボストンと並んで大学がたくさんあることで知られている町です。
ワシントンDCに移転するまでアメリカの首都だったことでも知られ、独立記念館や自由の鐘など
アメリカ建国ゆかりの建造物も残っています。
もっとも、留学当時は超多忙で、病院と住まいと往復するだけの生活だったので、
そうした観光に行く暇はまったくありませんでしたが──。

40年という時の刻みは、歴史あるフィラデルフィアを新しい町に作り替えていましたが、
観光名所をはじめまだ古い町並みも残っていて、懐かしく感じたものです。
当時を過ごした家にも行ってみたのですが、
残念ながら今はもう取り壊されて、別の建物が建っていました。
自由の鐘を模したおいしいウイスキーも、もう作られていないそうで、
入手できなかったのは心残りでした。

 

さて、トーマス・ジェファーソン大学はその名の通り第3代アメリカ大統領を記念して作られた大学です。
臨床医を育てる大学としてスタートした当時は小さな大学だったのですが、
いまや全米でもトップクラスのステータスを持つ総合大学になっています。
研究費獲得率や卒業生の数などでも米国一という堂々たる実績。
その客員教授に選ばれたのですから、たいへんな栄誉だと思っています。
長年の心臓外科学に対する貢献を評価していただいたものですが、
今、振り返って考えると感慨深いものがあります。
フィラデルフィアは留学生活のスタートだっただけに、
今またこの地を踏んでみて、当時のハードな日々を改めて思い起こしました。

 

私は日本で医師になり、循環器系の心臓外科医として働いていました。
WPW症候群(不整脈を起こす心臓病)で、心臓への過度の伝導を引き起こすKent束の切断手術を
日本で初めて(世界でも2例目)成功したこともあります(1968年)。
ただ、そうした外科手術を行う際に
やはり米国の進んだ医療を学びたいという欲求が高まっていくのを抑えられませんでした。
特に当時は心臓外科が花開きつつあった時期で、
子どもの心臓病など難しい手術が可能になりはじめる時代の流れのなかで、
矢も楯もたまらず米国に飛んだのです。 



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