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ドクター阿部のブログ

2度のがんを克服して完治した患者様のケース

2011/09/15【がん治療について】

当九段クリニックには連日、様々な症状のがん患者様が来院されます。がんの部位、大きさ、進行度など、一人として同じ症状はありません。我々はそうした患者様の個別の症状に合わせた最適なテーラーメード治療を行っています。
 そのたくさんのケースの中に、2度異なるがんになった患者様がおりました。転移したがんなら珍しくはないのですが、この方の場合は転移ではなく、まったく別々のがんだったのです。高齢化社会になって、この方のように転移ではなく、別々のがんを発症する多重がんの患者様は今後も増加していくと考えられます。
 

○樹状細胞がんワクチン療法1クールで、前立腺がんが寛解


 この患者様は2度とも九段クリニック分院で樹状細胞がんワクチン療法を用いた統合療法で克服し、現在は寛解されております。
 この方は、ある学会でたまたま私と隣同士になった際、前立腺がんになって放射線治療をされていると話してくださいました、
 「他に有効な治療方法はないか」
 と聞かれるので、それなら、と九段クリニック分院で行っている樹状細胞がんワクチン療法を説明してさしあげました。それは是非やってみたいと言われるので、放射線療法に加えて樹状細胞がんワクチン療法を併用する治療を開始しました。
 その結果、わずか1クールできれいに前立腺がんが治癒しました。ほとんど副作用もなく、遺伝子検査でも完全にがん細胞は消失していました。
 

○2度目のがんは咽頭がん


 しかし、前立腺がんが治癒してのち、1年ほど経って喉のところに違和感があると再び来院されたのです。診察してみると首に梅干し大のしこりがありました。なんと咽頭がんでした。
 放射線療法は効果的ですが、局所だけに当てるので、周辺のがんや転移にまで治療が及ばない場合があります。しかし、これに樹状細胞がんワクチン療法を併用することで、隠れた転移なども見逃さず、がん細胞をすべて殺すことができる、いわば理想的な治療方法なのです。 咽頭がんだと聞いたときには、てっきり前のがんの転移かなと最初は疑いましたが、調べてみると転移ではなく実はまったく別のがんができていたことがわかったのです。つまりワクチンが狙いを定める抗原が違う別々のがんですから、免疫効果が及ばず、がんの発生を防ぐことはできなかったと考えられます。
 その後、前立腺がんの治療効果の実績をふまえて、今度も放射線療法と樹状細胞がんワクチン療法の併用という、同じ治療を行いました。3ヶ月間の治療でこれも見事に寛解しました。
 この方は細胞障害を受けやすい体質なのかもしれず、寛解後も予防的な意味合いも含めて週に1回程度、高濃度ビタミンC点滴療法を受けておられますが、今ではまったく病気の影響もなく、お元気で活躍しておられます。
 
 この方がもし学会で隣に座らなければ、どうなっていただろうかと思います。
 おそらく樹状細胞がんワクチン療法のことなど知らないまま、放射線治療だけに取り組んでいたのではないでしょうか。そうするとこんなに早く寛解していないかもしれない。
 免疫細胞療法というのは医師の間でも、広く知れ渡っている医療法ではありませんから、この方と隣に座ったことのご縁を感じずにはいられません。

 



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